祝島 神舞(いわいしま かんまい)その6 〜 神楽

8月17日

前夜も夜深く。

朝食担当が8時に終わり、宿に戻って仮眠を取り

昼食担当に出掛けるために10時に居間に降りると

「昼はカレーでさほど人手がいらないから来なくていいって」

とポレポレ中植さん。

「そうなんだ…ありがたい…」再び部屋に戻り、眠眠眠…。

12時に起きると、纐纈さんご夫妻が昼便で帰るところでした。

「また!東京で!」「また!」

美味しい野菜をたくさん持って来てくださって、ありがとうございました!

昼食はポレポレコンビ作のさばうどん。美味しい(全食ほぼ人任せ…)。

夕食準備集合時間の15時までどう過ごそうかな。

「神楽観ました?」「あ。観てない。観たいす」

「面白いですよ」「観たいす!観る観る!」

そうだ、そうでした。この祭りのメインはこの神楽でした。

大分は伊美別宮社からいらした

神職の皆さん、里楽師の皆さんが奉納する神楽であります。

で、どんな話をやるんだろか。どんな鳴り物なんだろか。

午後の部は13時から。おお、ちょうどいい時間ではないか。

幸い、神楽を行う仮神殿は宿から程近いので

音が鳴り始めてから行っても十分間に合うのです。ありがたい。

食後のコーヒーを飲み飲みウダウダしていると

始まる合図とおぼしき鳴り物が聴こえてきました。

行こう行こう。

仮神殿には観光客やら島の人やら報道陣やらがワイワイいて。

後ろの方が空いていたのでお邪魔しまして。


へええ、仮神殿ってこんな作りなんだ…

島の皆で作ったんだ…時間かかっただろうな…すごいな…

ボヤーっと仮神殿を眺めていると、見覚えのある背中が2つ。

「人がいっぱいで乗れなかったの!」

纐纈さんご夫妻、昼便満員で乗れず、次の臨時午後便でお帰りだそうな。

「おかげで神楽観れたし!」そうだそうだ、乗れなくてよかったw

そういえば、鳴り物。どんな人が鳴らしてんだろ。

見ると、70代後半とおぼしき男性が太鼓を

60代とおぼしき男性がチャッパを

40代とおぼしき男性と10代前半男子が笛を、各々担当していました。

「少年…頼もしい…」

幅広い年齢層が集って演奏しているのを観ているだけで胸が熱くなってきます。

素敵な光景です。

何かの舞が終わって、次の舞が『荒神』。

あれ?この文字どっかで…

あ、前日すれ違った氏本農園の氏本さんが

「これ、うちの田んぼで取れた米で作った酒。明日呑めるよ」

って言ってたお酒と同じ名前だ。

で、どこで呑めんだ。聞いときゃよかった。

鬼と神主が組んず解れつの攻防を繰り広げる『荒神』は

「鬼の棒」というカラフルな棒で頭を叩かれるとご利益がある

という、観客参加型神楽。

みんな叩かれに前の方に行きます。

小さい子は鬼に抱かれると縁起がいいのだそうで。

嫌がる子どもを鬼に差し出して大人がキャーキャー楽しんでました。

あー…小さい頃のいろんなことを思い出すなぁ…。


そうこうしているうちに夕食準備の時間が近づいて参りました。

「行こう行こう」中植さんと共に公民館へと向かうのでした。

(つづく)

脱原発の道 〜いのちをつなぐ、海をつなぐ〜

原発ゼロを続けたいと願う各地の動きやアクションの呼びかけを伝えます。新規立地計画をかかえる祝島沖・上関(山口)と大間(青森)、東電の福島第一原発事故のあと唯一稼働した大飯原発のある嶺南(福井)…3つの地で行動する人びとの直接発信と情報共有を目指すチームゼロネットの活動を応援し、マスコミが発信するニュースに留まらず、現地の状況にまつわる多様な声を発信します。