【海を売ることはできない】
先日来、山口県漁協祝島支店がこれまで再三受け取りを
拒否してきた漁業補償金について各メディアが報道する中で、
事実と少し違う内容が目につきます。
つまり、祝島支店であたかも補償金を受け取る方針を
決めているような書き方がなされています。
これは事実と異なります。
祝島では、補償金の受け取りはずっと拒否し続けています。
事実を広く知っていただくために、
2014年3月4日の祝島島民の会集会で、
代表の清水敏保さんが発したメッセージを改めてご紹介します。
ぜひご一読ください。
以下再掲
_________
3月4日午前9時、
上関原発をつくらせない祝島集会が開かれました。
祝島島民の会の清水敏保代表が次のメッセージを読みあげ、
集まった方がたと確認しました。
* * *
【海を売ることはできない】
祝島に暮らす私たちはこれまで32年間、
原発建設に反対し続けてきました。
2000年には、原発建設のための漁業補償金も、
祝島の漁師は受け取りを拒みました*(WAN編集者註1)。
本来ならば、漁業補償が成立しないこの時点で、
原発建設計画は終わるはずでした。
それなのに、その後もずっと祝島の漁師は
補償金の受け取りを迫られています。
県漁協が勝手に祝島分の補償金を受け取ったからです。
そのため、これまで3度に渡って受け取り拒否を決議し、
2012年2月に至っては
「祝島支店では漁業補償金について二度と議題にしない」
ということまで決議しています。
これらの決議を無視して昨年2月に開かれた総会の部会で、
受け取り賛成が初めて過半数となったと、県漁協は主張しています。
しかし、議長の選出方法も規約違反など、
決議が有効に成立しているか甚だ疑問です。
翌3月、祝島の過半数の漁師は
「補償金を受け取らない」と改めて県漁協に申し入れました。
それも無視して県漁協は、
補償金の配分手続きを進めようと総会の部会を度々開催しようとしています。
このたび過半数の漁師は、
総会の部会自体を認められないということも申し入れました。
このように再三再四、何重にも不当に、
県漁協が原発のために海を売れと迫る以上、私たちは声をあげ続けます。
【漁師だけではなく、みんなの問題】
原発をつくりたい人たちは、上関原発を、
あとは祝島の漁師(現在では正組合員53人)の同意さえ得られれば
手続き上は完了だとして、補償金の受け取りを迫っています。
原発を国策で進めてきた日本では、
海では漁師の同意を得れば、原発をつくることができると、
みんなの問題である原発を一部の限られた人たちに押し付けてきました。
福島原発の事故で、
原発が漁師だけの問題ではないということは、
今や誰の目にも明らかです。
しかし、国や中国電力、県漁協は未だにそのやり方を変えていません。
原発は漁師だけの問題ではありません。
祝島だけの問題でもありません。
全国の問題であり、広く世界の問題でもあるからです。
今日、各地から祝島に集まった私たちは、
今ここに思いを馳せてくれている人たちとも手を取り合い、行動し続けましょう。
「祝島島民の会」2014/3/4
(報告者:木村 力さん)
(註1)2000年5月 上関原発計画に関係する8漁協のうち
7漁協に、中国電力が漁業補償金の半額を支払う。
祝島漁協は受け取り拒否。
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